私は小学3年生くらいの頃、夏休みに短期の英会話塾に通いました。2つ年上の姉も一緒でしたが、当時の私は人見知りをする内気な子供だったので、短期とはいえ知らない子ばかりの塾に行くことが憂鬱でしかたありませんでした。

なんとかしてサボろうと仮病を使ったこともありましたが、母には通用せず、結局7日間の講義が終わるまで毎日通わされました。その英会話塾の授業は、挨拶や自己紹介など、小学生向けの簡単なものでした。でもそれまで外国人とは話したことがなかった私は緊張し、授業では毎回、先生から質問されても答えることができませんでした。話そうと努力するのですが、言葉は口の中でもごもごするだけで、声に出そうとすると消えてしまうのです。そんなとき、周りの子たちからは「こんな簡単なことも分からないの?」と小馬鹿にされ、隣に座っている姉には、失望のため息をつかれました。

私は毎回、恥ずかしくて消えてしまいたい気持で小さくなっていましたが、そんな私に対して先生は怒ることもなく、片言の日本語で「ダイジョウブデスヨ」と励ましてくれました。ですがやっぱり私は、7日間ずっと、質問に答えることはできませんでした。姉から私の授業態度を聞いた母は「せっかくお金を払って塾に行かせたのに」と嘆きました。その英会話塾に通って私が覚えたのは、白人の先生が言ってくれた「ダイジョウブデスヨ」という日本語だけだったので、母が嘆いたのはもっともだと思います。

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